甲子園球場のツタは現在どうなった?撤去された理由と今後を解説


「いまの甲子園にはもうツタがないの?」
この疑問にお答えします。
撤去の理由や現在の様子、さらに過去に一度姿を消してから復活した歴史まで、分かりやすく紹介します。

シンボル的な存在ですよね。
そんなイメージがある方は、ぜひ最後まで見てみてください。
結論からいうと、甲子園球場のツタがすべてなくなったわけではありません。
現在は銀傘の拡張工事にともない、工事に必要な部分のツタが撤去・移植されています。
甲子園球場のツタとは?現在の撤去はなぜ?

甲子園球場と聞いて、外壁をびっしりと覆う緑色のツタを思い浮かべる人も多いでしょう。
高校野球、アルプススタンド、そして外壁を包むツタ。
ツタは長い間、甲子園を象徴する景色のひとつとして親しまれてきました。
①蔦(ツタ)とは

甲子園では、このツタが長い年月をかけて外壁を覆い、ほかの球場にはない独特の景色を作ってきました。

また、壁面を植物で覆うことで、壁の温度上昇をやわらげる効果も期待されています。
見た目だけでなく、球場の環境づくりにも役立つシンボル的な存在なのです。
②甲子園の象徴へ

ツタが甲子園のシンボルになった大きな理由は、球場とほぼ同じ歴史を歩んできたからです。
阪神甲子園球場が誕生したのは1924年8月1日。
その年の冬には、すでに外壁にツタが植えられています。
- 甲子園球場開場:1924年
- ツタの植栽:1924年冬
- 現在まで:約100年の歴史

③外壁を覆った理由

完成当時の球場はコンクリート打ち放しで、外壁が少し殺風景に見えていました。
そこで「外壁を美しく見せよう」と考えられ、繁殖しやすいツタが植えられたのです
最初から「甲子園のシンボルを作ろう」と考えていたわけではありません。
しかし長い年月をかけて成長し、かつては約430株、葉の面積は畳約8,000畳分ともいわれる規模になりました。
甲子園のツタが撤去された理由

現在のツタ撤去は、ツタをなくすこと自体が目的ではありません。
大きく関係しているのが、甲子園球場で進められている銀傘の拡張工事です。
①銀傘の拡張工事
ツタ撤去の大きな理由は、「銀傘」をアルプススタンドまで広げる工事です。
銀傘とは、バックネット裏や内野席の上を覆っている大きな屋根のこと。
今回の工事では屋根の範囲を広げ、暑さの厳しい夏でも観戦しやすい環境を作ることが目指されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事内容 | 銀傘をアルプススタンドまで拡張 |
| 拡張面積 | 約3,328㎡ |
| 完成予定 | 2028年3月 |
| 主な目的 | 観戦環境の改善 |

②工事場所の確保

銀傘を拡張するには、屋根だけでなく、それを支える建屋や基礎を球場の外周部分に造る必要があります。
その工事場所にツタがあるため、必要な部分だけ一時的に取り外しているのです。
③ツタは受け継がれる
甲子園のツタが全部なくなるわけではありません。
取り外されたツタが、そのまま捨てられるわけでもありません。
撤去したツタは、別の場所へ移植して受け継いでいく方針です。
- 球場内の別の外壁
- 甲子園室内練習場
- 阪神タイガースのファーム施設

甲子園のツタは一度消えていた!復活の歴史4つ

甲子園のツタが大きく姿を消したのは、今回が初めてではありません。

①2006年に伐採
長年甲子園を覆っていたツタは、2006年の秋から一度伐採されました。

ただし、このときもツタを永久になくすことが目的ではありませんでした。
大規模なリニューアル工事を進めるため、一度伐採する必要があったのです。
②大改修がきっかけ
2000年代のリニューアルでは、安全性や快適性を高めるため、球場全体に大きな改修が行われました。
長く使い続けるためには、歴史ある球場でも工事は欠かせません。
そこで大切にされたのが、「新しくしながら、甲子園らしさを残す」という考え方です。
当然、甲子園の象徴であるツタも再び育てることになりました。
③全国の高校で育成

2000年には、甲子園のツタが日本高等学校 野球連盟の加盟校へ贈られていました。
その後、各地で育てられていたツタの中から、生育状態のよいものが選ばれます。
甲子園から全国の高校へ旅立ったツタを、高校生たちが育て、再び甲子園へ戻す。
④甲子園へ里帰り
全国の高校で育てられたツタが戻ってくる取り組みは、「ツタの里帰り」と呼ばれました。
- 再植樹完了:2009年3月
- 参加校:233校
- 球場には参加校の記念銘板も設置
再植樹されたツタは少しずつ成長し、再び「甲子園といえばツタ」と感じられる景色を作っていきました。
甲子園のツタは今後どうなる?

100年以上の歴史を刻んできた甲子園は、現在も次の100年に向けて変化しています。
①銀傘がさらに拡大
銀傘をアルプススタンドまで広げる工事は段階的に進められ、完成予定は2028年3月です。
屋根が広がることで、強い日差しを避けられる観客席も増えることになります。

②伝統を残して改修

そのため、安全性や快適性を高める工事は欠かせません。
一方で、ツタのような「甲子園らしさ」も大切にされています。
新しくしながら、古いものも残す。
そんなバランスを取りながら改修が進められているのです。
③新しい甲子園へ
1924年、殺風景だったコンクリートの壁を彩るために植えられたツタ。
それが約100年をかけて、甲子園を代表するシンボルになりました。
2006年には一度伐採され、全国の高校から里帰りして再び成長。
そして現在は、銀傘の拡張工事にともなって一部が再び移植されています。

数年後には、新しくなった甲子園と、そこに伸びていくツタの景色が見られるかもしれませんね。
まとめ
甲子園といえば、外壁を覆う緑のツタ。
景色は少しずつ変わっても、100年以上受け継がれてきた甲子園とツタの物語は、これからも続いていきそうですね。

参考・引用元
- 阪神甲子園球場 公式サイト
- 阪神甲子園球場「甲子園秘話」
- 阪神甲子園球場「甲子園エリア満喫ガイド」
- 阪神電気鉄道株式会社 ニュースリリース
- 日本高等学校野球連盟・朝日新聞社・阪神電気鉄道株式会社「ツタの里帰り」関連資料
- 阪神園芸株式会社 公式サイト
※本記事は、阪神甲子園球場・阪神電気鉄道・阪神園芸などが公表している公式情報を参考に作成しています。



蔦(ツタ)とは、建物や木につるを伸ばしながら成長していく植物です。